ちゃぶ台でお茶をすすりながら、ふとそんなことを思った富子さん。
今回は、あの“ちりん”という音の中に込められた、昔ながらの知恵と心をお届けします🍵
🌙 おやすみちゃぶ台 第四夜
――風鈴のなる夜に(語り部・富子)
こんばんは。富子です🍵
今日も一日、お疲れさま。
■ 風鈴の音、聞いたことある?
最近、風鈴を見かけることが少なくなりましたね。
昔はね、どこの家の軒先にも、風鈴がぶら下がっていたもんです。
丸いガラスに、赤い金魚や朝顔の絵が描かれていて――
風が吹くたびに「チリチリチリ……」と、涼しげな音がしていました。
暑くて寝苦しい夜も、あの音を聞くだけで、なんだか涼しく感じたものです。
音って、ほんと不思議ですねぇ。
■ 風が鳴るとき、季節が動く
子どもの頃、おばあちゃんに聞いたことがあるんです。
「どうして風鈴をつけるの?」って。
すると、こんなふうに教えてくれました。
「風が鳴るときは、季節が動くとき。
暑さがやわらいだり、気持ちが落ち着いたりするからだよ」
その言葉が心に残って、
それ以来、風鈴の音がすると胸がふわっとして、うれしくなったものです。
■ 音のない夜も、あるんだよ
でも、音が鳴らない夜もありました。
風のない、しんとした夜。
そんな時は、ちゃぶ台で飲むお茶の音だけが響いて、
ちょっぴり寂しく感じたのを覚えています。
エアコンの音にまぎれて、
風の音や虫の声を聞き逃している今だからこそ――
たまには、音を消してみてください。
窓を開けて、夜の風に耳をすませてみてください。
どこかで、風鈴の音が、そっと鳴っているかもしれません。
🍵 おわりに
ちゃぶ台から、今夜も小さなお話をお届けしました。
また、ちゃぶ台でお会いしましょう。
風の音が、やさしい夢を運んできますように――
おやすみなさい。🌙
📺 このお話はYouTube「ちゃぶ台雑学」の朗読シリーズでも聴けます
▶️ YouTubeで聴く|おやすみちゃぶ台 第四夜
ほかにも、昔のちゃぶ台にまつわる知恵をこちらで紹介しています👇
小豆の煮る音が聞こえたら
コメント